【山口十三】
俺は出来る事ならお前の悩みの全てを分け合いたかった。
でも俺じゃ駄目だったんだな…。
玄関に入ると家の中は静まり返っていた。
親父もお袋もまだ帰っていなかった。
「セーフ、村田があんな事言うから余計な心配しちまったじゃねぇかよ。」
と言うと龍崎は笑いながら俺の部屋に向かった。
「なんか飲むか?」
そう聞くと龍崎は漫画を手に取り
「オレンジジュース。」
と答えた。
「オ〜ケィ。」
龍崎にそう言ってジュースを取りに一階におりた。
ジュースを持って部屋に戻ると、龍崎が漫画を読みながら爆笑していた。
俺達は漫画に没頭した。