「わかんないよ〜、そう思ってる時に限って早く帰ってきてたりするんだぜ〜。」

とにやけながら村田が言った。

「大丈夫…だろ……多分。」

村田にそう言われ一気に不安な顔になる十三。

「バレたらよ〜…お前の顔、原型なくなんじゃねぇ。」

村田が真顔で十三の顔をマジマジ見ながらそう言った。

「…龍崎、今日俺の家に泊まりなさい。」

と十三が不安が混じった顔で言ってきた。

いつもなら断るとこだが、今日は特に家には帰りたくなかったので「いいよ。」と答えた。

「いいのかよ。下手すりゃ、お前も殴られんぞ。」

村田が言ってきた。

「まっ、久しぶりに十三の親父さんに殴られんのも悪かぁねぇよ。」


そして俺と十三は十三の家に向かった。

「今まだ3時だからいくらなんでも帰ってるわけねぇよ。」

十三が自分に言い聞かせるようにそう言った。

「だといいけどな。」

と言いながら十三の家の玄関を開けた。

玄関に入り、少し振り向くと十三は目を閉じ何か願っている様子だった。

そんな十三の姿が可笑しくてまた少し笑えてきた。