【龍崎仁志】

最近、家にいると何故だか無性に苛立つ。

お袋の為にも、オッサンの為にも俺は家にいない方がいいだろう。

きっと俺自身の為にも…。


街で十三に出会い、俺達のたまり場の一つ『ブルース』に行き時間を潰していた。

十三が昨日、5発も殴られたらしい。

さすが十三の親父さんだ。


話題は変わり、旅行に行こうと言う話になったが…直ぐに却下になった。

そんな時マスターが言ってきた。

「お前達、停学中なんだからよ、家で寝てたら良いんじゃねぇか?」

その言葉に俺の心が暗くなっていくのがわかった。

「家で寝てたってつまんねぇじゃん、なぁ?」

と十三が問い掛けてきた。

俺は「あぁ。」とだけ答えた。

少し冷たい言い方になっちまったかな…。



あの頃の俺にとって、お前は何よりもの支えだったよ……俺自身の問題にお前を巻き込みたくなかった……なのに俺は…。