俺達はブルースを出て、劇場前でたむろしていた。

「お前らぁ、停学中の餓鬼がこんな所で何やっとんじゃ。」

そう言いながら俺達に近付いてくる竹ノ内。

その時、龍崎が竹ノ内の横をスッと通り過ぎた。

「龍崎、シカトか?」

竹ノ内が龍崎に問いかける。

それでも龍崎は竹ノ内を無視して歩き続けていた。

俺も竹ノ内の横を通り過ぎ、龍崎に続いた。

「コラッ、山口!テメェもシカトこいとるんか?」

竹ノ内がキレそうな口調で言ってきた。

…返事しねぇとやばくね?

そう思っていると龍崎が走った。

俺も龍崎の後を追い、走りだした。

龍崎を見ると…笑っていた。

何故か俺も笑って走ってた。



龍崎が笑うと何故か俺も自然と笑えた。

喧嘩でボロボロになったときも、龍崎が笑えばやられた事なんてどうでもいいと心の底から思えた。

俺は笑ってる龍崎が好きだった。

…変な意味でなく。