【山口十三】
…俺はちょっとした事でも相談して欲しかった
…話し聞いても何も出来なかったかもしんねぇけど、苦しみを分け合う事は出来たろ
…こんな俺でもお前と一緒に苦しむ事は出来た
…でもお前はそれを望まなかった
…ごめんな、龍崎
何もしてやれなくて……
その日も俺と龍崎は屋上にいた。
「ヨネやタマは何が面白くて授業なんかに出てんだ?」
龍崎が煙草を吸いながらそう呟いた。
「さぁな。」
「しかし、夏だな。」
青い空を見つめながら龍崎が言った。
…高校最後の夏か。
「もうちょっとで夏休みだな。」
俺がそう言うと龍崎はニコッと微笑み、煙草の煙りをはきながら喋り始めた。
「夏休み何するよ?海は行くだろ、それにバーベキューに花火だろ…。」
そして俺達は夏休みの計画で盛り上がった。