アイツ達は何度、停学にしても全くもって懲りてない。
つまり…典型的な馬鹿だ。
だか、そんな馬鹿だから余計に可愛いらしくもあった。
俺の高校時代は…毎日の様に他校と喧嘩していた。
学校の窓ガラスなんて数え切れない程、何度も割った。
金属バットを持って後輩を殴りつける日々。
校内をバイクで乗り回し、腹立つ教師を追い掛け回す日々。
その頃の俺には夢がなかった。
やりたい事もあるわけなかった。
毎日が暇で、スリルを求めてツッパリをやり続けていた。
そんなどうしようもなく馬鹿だった俺の人生を変えたのは…たった一人の教師だった。
あの人がいたから俺は今ここにいて、この場所に立っている。
あの頃の俺が退学せずに卒業できたのは…あの人のおかげだった。
あの人に出会って両親の有り難さを知り、仲間の大切さを改めて知った十七の春。
愚かな俺にいつも優しい笑顔で接してくれた母。
愚かな俺に愛情を込めて殴って叱ってくれた父。
そんなあなた方をこの歳になって尊敬し、愛してます。