ある日、家に帰ると真っ暗な台所で龍崎がボーッと椅子に座っていた。

台所の入り口には紙袋が置いてあった。

紙袋の中身が少し見えた。

どうやら龍崎の服が入っているようだ。

…お袋さんが持ってきたのか?何があったんだ?

「電気もつけずに何やってんだ。」

とあえて明るく龍崎に問い掛け電気をつけた。

「お帰り。」

龍崎は必死に平常を装いながらそう言って立ち上がり、入り口にある紙袋を持って部屋にあがっていった。

「おぉ。ただいま。」

俺はそう言いながら冷蔵庫を用もなく開けた。





夕食が出来たので二階にいる龍崎を呼んだ。

今日の夕食はオムライス…【今日の夕食は】と言うより【今日の夕食も】と言うべきだろう。

なんせ俺は今、猛烈にオムライス作りにハマっていた。

「今日のオムライスは完ぺきだぞ。」

台所にやってきた龍崎に笑顔でそう言った。

龍崎は苦笑いをし、椅子に座った。