「何だこれ。」

と眉間にシワを寄せ龍ちゃんが言った。

「龍ちゃんが俺から金を借りた日と、金額のメモっスよ。」

「オメェ…んなもん一々メモってんじゃねぇよッ!」

と言いながら龍ちゃんは俺の頭をバシッと叩いた。

「だって龍ちゃんいっつも忘れるじゃないっスかぁ。」

「るせぇ。」

そう言って龍ちゃんは屋上に寝転んだ。

寝転んだ龍ちゃんの横に行き俺は百円の請求を続けた。

だが、龍ちゃんは無視し続けた。


「何だよヨネ、今日百円がいる事でもあんのか?」

と山さんが聞いてきた。

俺は山さんに近寄り

「そうなんスよ!どうしても今日中にいるんスよ!」

と答えた。

「なんで百円?」

と山さんが不思議そうに聞いた。

「百円足りないんっスよ!」

「なんか買いたい物あんのかよ。」

「ちょっと…。」

龍ちゃんの誕生日プレゼントを買いたいなんて、そこで龍ちゃんが寝っ転がってんのに言えるわけがなかった…。

朝ちゃんと計算して財布にお金を入れたつもりだった…なのに何故か百円足りなかった。