俺の目からは涙が零れ落ちていた。

…お袋に帰って来いって言われたい。

竹ノ内の家に居候し始めてからそんな事を心の奥で毎日願っていた…。



紙袋に入った俺の服…。

…もうあの家には戻れねぇよ、親父。

…あのオッサンの事をなんで「親父」って呼ばなきゃ行けねぇんだよ。

…お袋は何を考えてんだよ。

…お袋は俺よりあのオッサンの方が必要なのかよ。



…お袋か幸せになるならそれで良い。

…本気でそう思ってる。

…でも上手く行動に表せない。



…あのオッサンが良い奴だなんて思えねぇ。

…でも、お袋には優しく接してる。

…俺がいなけりゃ、オッサンは普通に良い人になる。



…俺はこれからどうすればいい?

…どうやって生きてけば良いんだよ。

…親父、会いてぇよ。

…会って教えてくれよ、昔みたいに。

…男はどうあるべきなのか。

…俺はどうあるべきなのか。



有り得ないぐらいの涙が零れ落ちていった…。





泣き止んだ頃、空は明るくなりかけていた。

俺は竹ノ内の家に向かって歩き始めた。



竹ノ内の家に入り部屋に戻って布団に潜り込み眠りについた…。