俺は最後に期待を込めて聞いてみた。

「何これ。」

「えっ?」

俺の問いが予想外だったのかお袋はびっくりしていた。

期待は見事に打ち砕かれた…。

「…もういいから、帰れよ。」

俺がそう言うとお袋は直ぐに「わかった。」と言って帰っていった。

お袋は一度も振り返らなかった…。

この時、俺が「もう二度とくるな。」と言っていたら本当に、もう二度とお袋はこの家には来ないだろう…。

お袋の後ろ姿を見ながら俺はそう思った。