「なにやってんだ?」

俺はそのノートを覗き込んだ。

ノートには【四月五日・百円貸し】と書いてあった。

他にも多々書いてある。

内容は全て俺がヨネから借りた金のメモだった。

「何だこれ。」

「龍ちゃんが俺から借りた日と、金額のメモっスよ。」

と笑顔で答えるヨネ。

「オメェ…んなもん一々メモってんじゃねぇよッ!」

と言って俺はヨネの頭をパシッと叩いた。

「だって龍ちゃんいっつも忘れるじゃないっスかぁ。」

とヨネが膨れっ面で言ってきた。

「るせぇ。」

そう言って俺は屋上に寝転んだ。

寝転んでからもヨネは俺に百円を請求し続けた。

…るせぇな、なんでそんなに百円がいるんだよ。

俺はヨネの言葉を無視し続けた。