「俺の大事な友達だった。」

竹ノ内が煙草に火をつけながらそう言った。

「どんな奴だった?」

「笑顔が最高に素敵な奴だった。」

「そう。」


しばらく沈黙が続いた。


「この前…俺……。」

なんだか竹ノ内にこの前の出来事を話したくなった。

「どうした?」

と竹ノ内が聞いてきた。

「いやっ、なんでもねぇ。」

…やっぱり、言えねぇ。

「…そうか。」

竹ノ内は哀しく微笑みそう言った。



俺はその日、堤防で朝を迎えた。

竹ノ内は朝まで俺の隣にいてくれた。

顔に似合わずそんな事を平気でするのが竹ノ内で、そんな竹ノ内を俺は尊敬していた。





その日から俺は、竹ノ内の家に居候する事になった。