朝食を食べ、真砂と町で買い物がてらぶらぶらしてから昼食を取り、また少しぶらぶらしてから、二人は帰路についた。

「ねぇねぇ課長。どうせならさ、年末にお邪魔してもいい?」

 真砂の車で送って貰いつつ、助手席で深成が言う。

「今も年末だが」

「違うよ。そうじゃなくて、ほんとに年末。三十一日。年越し、一緒にしようよ」

 ちろ、と視線だけを動かして、真砂が横を見た。

「わらわ、おせち作ってあげるよ。でさ、初詣に行こう」

 わくわく、と言う深成に、真砂は小さく息をつく。
 年越しを一緒にしようということは、思いっきりお泊りではないか。

「お前は自分が言ってることが、わかっているのか?」

 前を向いたまま言う真砂に、深成はきょとんとした顔を向ける。

「何が?」

「……まぁ、ずっと家にいるわけでもないか」

 夜のうちに初詣に行けばいいのだ。
 この子供が、そこまで起きていられるかが問題なだけで。

「えへへ。楽しみ~」

 そんな真砂の心配事には気付かず、深成は一人うきうきと、おせち料理の献立を考えるのであった。

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 忘年会バージョン。

 いや、カウントダウン~初詣、というリクエスト(ん? カウントダウンだけだっけか)だったのですが、うっかり仕事場からスタートしたら、何か忘年会まで繰り出してしまったので、じゃ忘年会バージョンも書いてやれ、とそのまま書き進めてみるも、やたらと長くなってしまいました( ̄▽ ̄)

 何か小咄、どんどん長くなってるよね。
 普通に一本の話として独立させてもおかしくない(多分普通に書くと100p超えるやつもある)。
 ということは、何気に左近は相当な数書いてるんじゃ?

 今は本編で真砂と深成が離れ離れなもので、いちゃいちゃはこっちでしかさせられないのですよ。
 んでも相変わらずな深成ですが。

 最後に真砂課長とデートしてるのも気付いてないんでしょう。

 そしてお話は、年越しバージョンへと続きます。

2015/02/22 藤堂 左近