深成は、ちら、と六郎を見た。
「……六郎兄ちゃんはさぁ、何でわらわが真砂の傍で寝るのが嫌なの?」
いきなりな質問に、六郎は少し目を見開いた。
が、すぐに真面目な表情になって、きっぱりと言う。
「当然じゃないか。何もあの人だけではないよ。前から言ってるだろ。深成ちゃんは女の子なんだ。男に引っ付いて寝たら駄目だってことぐらい、もうわかるだろ?」
そうなのだ。
何も真砂だから気になるわけではない。
仮に捨吉だとしたって反対する。
「うん……。そうなんだよね。よく考えたら、わらわにだってわかるんだけど」
よく考えんでもわかるだろう! と真砂なら怒鳴りそうだが、六郎はちょっと胡乱な目で深成を見ただけだった。
「あのね、六郎兄ちゃん、誤解してるみたいだけど。わらわもね、皆に引っ付いていくわけじゃないんだよ。もし昨日あんちゃんもいても、わらわはやっぱり真砂のところに行った」
「……そりゃ、彼のベッドが一番大きいし……」
何を言い出すのだ、と内心どきどきしながら、何とか冷静さを保ちつつ、六郎は何てことのないように言った。
「そういうんじゃないんだよ。わらわね、誰と寝る? て聞かれたら、間違いなく真砂がいいって言う」
「……わ、私がその中に入ってても?」
具体的に聞きたくないのに、自ら踏み込んでしまう。
心のどこかでわかっていたことといえばそうなのだが、改めて言われると、どうしても動揺してしまう。
そんな六郎の心をがっつり抉るように、深成はこっくりと頷いた。
「み、深成ちゃんは、奴が好きなの?」
そろ、と胸に手を当てながら、六郎が聞く。
何だか胸に穴が開いたような感じだ。
「うん……多分。いや、多分じゃないな。わらわ、真砂が好き」
そうそう、昨日そう言った、と、ぽんと手を叩く。
「わらわね、真砂の傍が一番安心するの。でも六郎兄ちゃんのことも好きだよ」
「……それは、彼を男の人として好いてるのかなぁ?」
どうも深成の言い方を聞いていると、怪しい部分がある。
Loveだと思いたくない、という心理からではあるまい。
「私もね、深成ちゃんがほんとにあの人のことを好いているのであれば、何も文句を言うこともないんだよ。……それに、彼はどうなんだろう?」
意外に冷静に、六郎は深成を覗き込んだ。
六郎だって、何が何でも深成を我が物にしたいわけではない。
深成のことは好きだが、深成が他の人を好いているのなら、それを邪魔してまで奪おうとは思わないのだ。
やはり、六郎は深成に甘い。
自分のことより、深成を優先してしまう。
「深成ちゃんが彼を本気で好きであっても、彼にその気がなかったら、やっぱり認めるわけにはいかない。私だって深成ちゃんのことを大事に思ってるんだからね。でも、彼の気持ちはもちろんのこと、深成ちゃんの気持ちもよくわからないな。私が聞いてても、そこまで深成ちゃんが彼を好いてる……とも……う~ん、思えないなぁ」
「……六郎兄ちゃんはさぁ、何でわらわが真砂の傍で寝るのが嫌なの?」
いきなりな質問に、六郎は少し目を見開いた。
が、すぐに真面目な表情になって、きっぱりと言う。
「当然じゃないか。何もあの人だけではないよ。前から言ってるだろ。深成ちゃんは女の子なんだ。男に引っ付いて寝たら駄目だってことぐらい、もうわかるだろ?」
そうなのだ。
何も真砂だから気になるわけではない。
仮に捨吉だとしたって反対する。
「うん……。そうなんだよね。よく考えたら、わらわにだってわかるんだけど」
よく考えんでもわかるだろう! と真砂なら怒鳴りそうだが、六郎はちょっと胡乱な目で深成を見ただけだった。
「あのね、六郎兄ちゃん、誤解してるみたいだけど。わらわもね、皆に引っ付いていくわけじゃないんだよ。もし昨日あんちゃんもいても、わらわはやっぱり真砂のところに行った」
「……そりゃ、彼のベッドが一番大きいし……」
何を言い出すのだ、と内心どきどきしながら、何とか冷静さを保ちつつ、六郎は何てことのないように言った。
「そういうんじゃないんだよ。わらわね、誰と寝る? て聞かれたら、間違いなく真砂がいいって言う」
「……わ、私がその中に入ってても?」
具体的に聞きたくないのに、自ら踏み込んでしまう。
心のどこかでわかっていたことといえばそうなのだが、改めて言われると、どうしても動揺してしまう。
そんな六郎の心をがっつり抉るように、深成はこっくりと頷いた。
「み、深成ちゃんは、奴が好きなの?」
そろ、と胸に手を当てながら、六郎が聞く。
何だか胸に穴が開いたような感じだ。
「うん……多分。いや、多分じゃないな。わらわ、真砂が好き」
そうそう、昨日そう言った、と、ぽんと手を叩く。
「わらわね、真砂の傍が一番安心するの。でも六郎兄ちゃんのことも好きだよ」
「……それは、彼を男の人として好いてるのかなぁ?」
どうも深成の言い方を聞いていると、怪しい部分がある。
Loveだと思いたくない、という心理からではあるまい。
「私もね、深成ちゃんがほんとにあの人のことを好いているのであれば、何も文句を言うこともないんだよ。……それに、彼はどうなんだろう?」
意外に冷静に、六郎は深成を覗き込んだ。
六郎だって、何が何でも深成を我が物にしたいわけではない。
深成のことは好きだが、深成が他の人を好いているのなら、それを邪魔してまで奪おうとは思わないのだ。
やはり、六郎は深成に甘い。
自分のことより、深成を優先してしまう。
「深成ちゃんが彼を本気で好きであっても、彼にその気がなかったら、やっぱり認めるわけにはいかない。私だって深成ちゃんのことを大事に思ってるんだからね。でも、彼の気持ちはもちろんのこと、深成ちゃんの気持ちもよくわからないな。私が聞いてても、そこまで深成ちゃんが彼を好いてる……とも……う~ん、思えないなぁ」