デッキブラシを振り上げていた北沢くんは、わたしの手を掴むと降ろした。 「メイ・・・今なんて言った?」 「信じるよって言ったの」 「じゃなくて・・・名前呼んだよな?」 「名前?」 北沢くんっていつも言ってるでしょ? 「凛って呼んだよな?」 そう言えば・・・凛って言ったような・・・ 「もう一度言ってくれる?」 「ここで?」 「ここで」 「でも皆いるよ」