「今、降りるから待ってて」


部屋の窓を閉め携帯と鍵をポケットに入れると髪が乱れてないか確かめダダダっと階段を降りると外に出た。


「北沢くん...?」
「よ、行こうか」

北沢くんは、わたしの手を掴むと前を歩き出す。

「今日、新しいパン屋に一緒に行こうって思ってたんだ」


新しいパン屋?


「どこに?」
「俺の家の近く」