「メイ、帰るぞ」

ぼっとしていたら北沢くんが帰って来た。


「も、もういいの?」
「用事は、済んだから待たせて悪い」


北沢くんは、靴に履きかえると、わたしの手を引っ張って行く。


「ちょ、ちょっと待って」


引っ張られた手を離し足を止める


「北沢くん、バイクだよね、一緒に帰れないでしょ?」


「もうバイクは止めたの、メイと同じ自転車」


え?


「いいから帰るぞ」
「で、でも帰る方向違うでしょ?」