そして、井上さんは淡々と話し始めた。

「まず、あたし達はいじめてなんかいない。
 理由は、あんた絡みよ。
 
 …あんた、差別されてんでしょ?
 それ始めたの、まりんだから。

 で、それがエスカレートしそうになった。
 だから、それ以上は可哀想で…。
 
 あたし達は、まりんから離れた。」

「ま…りんが…?
 私を…?」

「それ以上はまりんに直接聞きな。
 …もう話しかけんな。
 お前、まりんにいじめられんぞ」

「あ、ありがとう…。」

「何かあったら、あたし達に言え。」

一枚の紙が渡された。
そこには、ケータイの番号が書いてあった。
そして、井上と書いてあった。

「ありがとう…。井上さん…。」

「別に。後、亜美でいいから。」

「分かった!本当にありがとう。亜美…。」

「おぅ。」

そう言って、どこかへ行ってしまった。
今日、亜美が良い人なんだと分かった。

ありがとう!亜美…。