『不思議と不安にならない』わけがなかった。


怖いものはやっぱり怖い。


ただ過ぎていく視界の中に、変なもの(信じてないけど幽霊とか)が入り込まないように、薄目になって夢中で走る。


正直薄目だろうと両目を瞑っていようと、ほとんど見えないことに変わりはないけど、完全な真暗闇は嫌だった。



空を覆う樹々の隙間から夜を照らしてくれている月明りだけが、今は現実になっていく。