トンネルの入口まで来ると、右側にいつ作られたのか分からない程古い、『桜花トンネル』と書かれた木の札が掛かっているのが見えた。



「悪いな、そろそろ戻んないと相方がうるさいからさ。見送りはここまで!」


山本さんは残念そうな顔で言う。


「はい!ありがとうございました。」


僕らは今日3度目の握手をした後、手を振って別れた。


数歩歩いて、あることに気付く。