小さなルルナくん。




…嬉しいよ。


そこまでルルが想ってくれてて。


私は幸せだよ。






でも………






「ルル、パパとママについていって」


そう言うと、ルルの目が大きく見開いた。


「柚、何言って…」


「数年我慢したら会えるんだから!ねっ?ルルには死んでほしくない…だから……」


涙が溢れそうだった。


…こんな姿、見られたくない。



席を立ち上がると、


急いで部屋から飛び出した。





「柚っ…!」








自分の部屋に戻ると同時に、


我慢していた涙が大量に溢れてきた。



「あれっ……なんで…泣いてる、の……」


止めようとしても、更に溢れてきていた。


…ルルはここにいちゃいけない。


パパとママについていって、治さないと。


なのに………なのに……


こんなに胸が苦しくなるなんて…。







離れたくないよ………





















しばらくすると、


扉をノックする音が聞こえた。


「柚、入っていい?」


その声は、ルルだった。


「…だめっ………」


こんな姿、見せたくない。


恥ずかしいよ……。


すると、ガチャっと扉が開く音がした。



…ルルのバカ、


入るなと言ったのに。


急いで布団で身体を隠したが、


ルルによって布団を奪い取られた。


「ルルっ……!」


「…泣いてる」


ルルの身体は、あっという間に


私の身体を包んでいた。





…ずるいよ、こんな時に。


「俺…柚のお父さんたちについていくよ」


「………」


「いつになるか分からないけど、すぐに柚の所に戻ってくるから」


10センチ先でルルの表情が微笑んでいた。


「だから、泣かないで」


…そんなこと言われたら、


余計に泣いちゃうじゃん。




「ルル……私ね………ルルのこと………」


と、言いかけた時、


ルルの人差し指が唇にそっと触れた。


「柚、言わないで。そのセリフは…俺が帰ってきた時に必ず言うから」


っ……///!?


それって………。


「 柚と俺は…歳の差もある。それでも、柚は俺を待っててくれる?」


そんなの………。


「そんなの当たり前だよ、バカっ!!」


ルルの腰に手をまわした。




「…絶対、柚の元に帰ってくるから」


「…うんっ……約束だよ…」


ルルの温もりは、今まで感じたよりも


更に温かく感じた。



ルル……数年後、会った時に言うから。



ルルのこと…………