小さなルルナくん。



優しくしないでって、


わざわざルルに言ったのに…



心の何処かで


本当はかまってほしくて、


傍にいてほしくて、


本当は優しくしてほしい。



でも…ルルより歳上なのに、


ルルの前で弱音を吐いている自分が



『憎い』。






だめ…離れなきゃ。




ルルから離れようと必死に抵抗をするが、


ビクともしなかった。


「ルル……もう平気だから…」


「…ごめん。もう少しだけ、このままでいさせて」


ルル………、


近いよ。


近すぎるよ。



「柚、俺は…柚のこと……」


「ルル、その先は言わないで。ううん、言っちゃだめ」


…ルルが、


この先何を言おうとしているのか


薄々分かった。




でも、その先を聞くと


何かが終わってしまいそうな気がして、


怖かった。


それだけじゃない…。


そもそも、私とルルは違いすぎる。


…ルルの家族になるって決めたんだ。


だから、それ以上の関係なんて


求めたらいけない。












好き………




大好き………………




でも、



そんなことを認めたくない。




この想いは…



いつまで耐えられるのだろう



















「…ない、上履きがない!」


それは、突然起こった。



いつも私が履いている上履きが


下駄箱から無くなっていたのだ。



「柚、どうした」


ルルは心配そうに顔を覗き込んできた。


「…上履きが無くなってて……。おかしいなぁ…確かにここに入れたはずなのに」


「間違ったんじゃないのか」


「ううん…確かにここに…」


誰かに盗まれたのかな…?




それともイタズラ?



仕方なく、来客用のスリッパを履いた。


そして教室に向かっている時、


なぜか周りからの視線が痛く感じた。




…何かがおかしい。


皆が私を避けるような目で見ている。


私がルルと歩いているから?


それとも他に何か?







教室に入った途端、


にぎやかだった教室が


一瞬で静まってしまった。



…えっ……?


どうして…


「…ねぇ、昨日春馬くんとデートしたんだって?」


と、数人組の女子たちが近づいてきた。


「っ……!?」


何で私が春馬くんといたってことを…





「あなた何なの?春馬くんとはデートして、瑠々那くんとは一緒にいて」


…これは、よくあるパターンだ。


女子たちが嫉妬して責めてくるという


漫画でお馴染みのシーンだ。




「…違う、私はただ春馬くんに誘われただけで…」


「誘った?あなたを?そんなわけないじゃない。嘘をつかないでハッキリ言いなさいよ!」


嘘じゃない。


皆は騙されてる、春馬くんに。


彼の正体を知らないだけ!



「…柚香……」


そこに現れたのは、実紗だった。


「実紗…!実紗は信じてくれるよね!?」


実紗は…私の大切な………






「ごめん…」



実紗の口からこぼれた一言。




ごめん?


それって…信じないってこと?


実紗………私たち…


ずっと仲良くしてきたじゃない。


なのに…信じてくれないの?



どうして………





「柚以外の女は、所詮我が儘で嫉妬深いだけなんだな」


ルルは柚の腕をつかんで口角を上げた。


「…どういうことよ、瑠々那くん」


「そうやって、ただ柚を責めるのか?柚から誘った証拠もないのによく言えるもんだな。ただの我が儘で嫉妬してるだけだ」


ルル……?


私をかばって……。


「ルル、もういいから!」


そう言って止めてもルルは話し続けた。