「えーみかっ」
「あ、リカおはよう」
友達のリカが話しかけてきた。
「えみ、またあの人の事見てたの？」
リカがニヤニヤしながら聞いてくる。
「ちょ、リカ！声大きい！」
「ごめんごめん。あはは」
…絶対反省してないな。
「はぁ~ぁ。いいよリカは。あんな優しい彼氏がいてさ。」
「えー？えみもあんなに告られてるんだからちゃっちゃと彼氏作っちゃえばいいじゃん。」
「簡単に言わないでよ…。好きでもないのに付き合えないし。そもそもそんなに告られてないし。ホラ、電車来たよ」
電車が来たことに気を取られたあたしは、
リカの
「分かってないなぁ…。」
と言う呟きが耳に入っていなかった。
