はぁ?

まだ聞いてくんのか?


いちいちしつけぇな!


「違うって言ってんだろ!!」


言ってから気がついた。


ぁ…本性出しちまった…


やべぇ…


「あれぇ?君ってそういう性格だった?」


お前もな!


いっつも地味なのになんでこんな言葉遣いなんだよ!?


「まぁ、バックれてもらってもいいんだけどね?そしたら容赦しないよ?」


女はどす黒い笑みを浮かべながら聞いてくる。


はぁ?なんだこいつ。


頭大丈夫か?


俺はずっとバックれ続けるつもりだ。


まぁ、こんなひょろひょろに例え殴られたって平気だし。


全国No.1の赤龍の総長である俺が負けるはずねぇ。


「はい。そんなこと知りません」

俺は冷静に答えた。



「…そう♪?じゃあ容赦しないからね?

全国No.1の総長さん?」


はっ


まぁ、せいぜいよけてやるくらいにしとくか。


そろそろくるか?







ドスっ…



資料室の中に鈍い音が響く。





「…っ…いってぇ…」




………なんなんだあの女は…




殴ってきそうだと思ってたらいつの間にか俺のみぞおちを殴ってた。




こんな俺にでも止められない隙のない動き、強力なパンチ。



…こんなこと、並の女にはできねぇぞ…


「これで言う気になった?」


この女に俺はかなわない。


あのパンチを受けてそう思った。