でもあたしには
浅村くんに言わなきゃいけないことがある

『浅村くん…?』

『ん?どーした?』

『あのね…あたし、
りゅうと話したいの』

『え?』

『昔のこと聞いても意味がないから、
もう何も聞かないけど、
あたし、りゅうに大事にしてもらったのに
ありがとうって言えてなくて…
だから、ありがとうってひとことだけ言いたいんだ…』

浅村くんは
あたしの気持ちを悟ってくれたかのように

笑って、
『うん、わかった』
そう言ってくれた。