「言えよ。『俺からしてほしい』って」
グイッとあたしに顔を近づけてくる千里。
待って待って…!
あたしそんなことできないっ…
「なあ、言えよ、望未っ」
ち、ちっか!
い、息できないよ!
こんなに近いとっ!
「…ど、」
「?」
「どっちもヤダーっ!」
あたしはそう言って千里を突き飛ばしてしまった。
「ご、ごめんっ千里……」
「ごめんじゃねえよっ。
まぁ、俺もやり過ぎたな。」
そう優しく微笑んであたしの髪をサラッと撫でた。
そして、自分の部屋へと戻っていく千里。
ちょっと、悪いことしちゃったかな……
もうすこし、あたしが
素直なら良かった……