…そういえば、茜さんが言ってたっけ…。
棗様は私に対してどうしたらいいのか分からないって…。
…メイドとして、そういうとこも私が理解して頂けるようにするべきなのかな。
奥が深い。
「…じゃあとりあえず私は外に出てますので…」
「別に出なくてもいいだろ。後ろ向いとけ」
そう言った棗様は、私をくるりと回して後ろを向かせた。
えっ。
ま、まあいいの…かな?
「…それで、今日のスケジュールは?」
恐らく着替えながら尋ねてきた棗様の言葉に、私はハッとする。
そうか…こういうのは棗様が着替えてる間に言うものなのか!
「ええと…9時からバイオリンのレッスンがあり、その後は英会話があります。それが終わればあとは自由ですよっ」
「そうか」
バイオリンかぁ……やっぱりお金持ちは習うことが違うな…。
実際どうなのか知らないけど。
「お前の今日の予定は?」
「へっ?」
突然棗様から質問され、私は驚く。
わ、私の予定…?