「それに私、この前有馬くんに抱き締められたの」


「…え、えええ!?」




またもや驚愕。


あ、有馬さんって……大胆だなぁほんとに。




「その時に有馬くんが私に『こうでもしないと伝わらない』的なことを言っててねぇ……私ハッとしたの」




確かにそれは一理ありますね有馬さん。

茜さんは本当に鈍感ですから。


それを痛いほど実感してるのは有馬さん本人でしょう。




「私も、ちゃんと行動に移さなきゃなぁって。そうでもしないと、私の気持ちが横山さんに伝わらないなぁって!」




ぐっと小さな拳を握る茜さん。




「でも有馬くんがなんで私を抱き締めたのかはあんまり分かってないんだけどねぇ。きっと、暗そうに見えた私を励ましてくれてたのかしらぁ」


「…あ、あはは…」




有馬さん。

有馬さんの精一杯の努力はどうやら違う方向に働いてしまっているようです。


…茜さんという壁は大きいですね。