「………。」
つまんないなぁ。
玲央くんに不満全開の視線を送ってみたものの…効果ナシ。
仕方なく“そのへん”に目を向けた。
テレビ前の一角。
DVDとか、マンガとか雑誌とか…
きれいに紙袋に入って置いてあるそれらは、明らかに“借り物”だ。
私が勝手に見ちゃっていいの?
迷いつつも、手前にあったマンガに手を伸ばした…とき。
「それ、マコちゃん読みたがってたでしょ?クラスの子が持ってたから貸してもらったんだ。」
いきなり聞こえた声に、一瞬びくっとなる。
びっくりした。玲央くんってば、こっち見てたのね。
確かに、私が手に取ったのは続きが気になっていた“少女”マンガ。
「先に読んでいいよ?」
ってことは、玲央くんも読む気なのね。
少女マンガ…
いったい、どういう流れで借りて来たんだろ?
明らかに、貸してくれたのは女の子だよね?
まぁ、玲央くんは男の子よりも女の子の友達が圧倒的に多いけどさ。
なんか、ちょっと心配になってくるなぁ…