「じゃあ、遠慮なく食べさせてもらうね?」


た…食べる?

可愛い笑顔で。
玲央くんは無邪気に言ってるけど、それって…


「ちょっ…待っ…んっ!」


私が危険を察知したのとほぼ同時に、ぱくっと。玲央くんが私の唇にかぶり付いた。

それは、まさに“食べる”と言うにふさわしく…


「…っ、」


逃げることもできずに、私はそのまま、侵食されて。

深く深く。味わうようなキスをされる。


な…何?なんでこうなっちゃうの?

わけわかんないのに。
苦しいのに。

玲央くん、まるで別人なのにっ!


「ん…」


なんで、

私は素直に受け入れちゃってるわけ?

気持ちいい、とか感じちゃってるの?


「ふ…ぁ…」


柔らかくて。
甘くて。

熱い、玲央くんの唇。


ずっと触れてみたくて。

食べちゃいたかった。



でも、まさか…

その口に“食べられる”とは思わなかった。



「……美味しい。」


ふいに唇を離して。

私を見下ろしながら、うっとりとした表情で玲央くんが呟いた。


「マコちゃん、やっぱりすっごく美味しい。でも、やっぱり、これだけじゃ全然足りないや…」