「え…?」
「こんな僕、マコちゃんはやっぱり嫌い…だよね?」
私は今、どんな表情をしているんだろう?
哀しそうに顔を歪めて、私を見つめる玲央くん。
「軽蔑するよね?もう仲良くしたくないよね?」
……そんな顔、しないでよぉ。
まるで、捨てられた仔犬みたいな。諦めを滲ませながらも、泣き出しそうな瞳。
「くぅーん」って。寂しげに鼻を鳴らす音が聞こえてくるようだよ。
そんなふうに見つめられたら、もう…
「そんなことないよっ!」
そう言うしかないじゃない。
「嫌いになったりしないよ。」
「ホントに?」
「…うん。」
パッと、大きな瞳を輝かせる玲央くん。
…うっ。可愛い。
嫌いになるとか以前に、こんな可愛い生き物を見放すことなんてできない!
「じゃあ、“男として”僕のこと好きになってくれる?」
……ん?
男として、って…
玲央くんは“男の子”だと思った上で、既に好きだけど、それじゃダメなの?
「僕にも、味見させてくれる?」
「……ん?」
「僕がマコちゃんのこと食べちゃっても、もう泣かない?」
……はっ?