んんん?


真剣な顔で私を見つめる玲央くん。

でも、私には玲央くんが言っていることが理解できていない。


「玲央くんは“男の子”でしょ?」


いや、確かに。
見た目とか趣味は“女の子”みたいだし。

私も、正直今まで、男友達と言うよりは女友達のノリでつき合ってはきたけど…


「私は“玲央くんだから”仲良くしてるわけで、男の子だとか女の子だとか意識したことないよ?」


ちっちゃい頃からずっと。

玲央くんは“女の子”みたいな“男の子”で。

それが玲央くんで。

そんな玲央くんが好きだから、一緒にいた。

ただ、それだけ。


「どんな玲央くんでも嫌いになったりしないし、離れたりもしないよ?」


玲央くんってば、何を言ってるんだろう?


「……マコちゃんは、やっぱりひどいよ。」


私の言葉に、一瞬ぽかんとしたものの…。玲央くんは、すぐに大きくため息をついた。


「…鈍感すぎるにも程があるよ。」

「へっ?」

「僕が言ってるのは、そういうことじゃなくて…」


そして、さっきの…“男の子”の顔で言った。


「“好きな女の子”にキスされたら、嫌でも“男”になって、こういうことをしちゃうってことだよ。」