うーっ…ダメだ。
バカなことを考えてないで、しっかり玲央くんの看病をしなくちゃ。
そして、早く元気になってもらうんだ。
で、ちゃんと謝って仲直りして。今まで通りに…
「……って、ん??」
私ってば、何やってんの?
反省してるそばから、もうっ…
「…重症だ。」
気づけば、超至近距離にある玲央くんの顔。
どうやら、無意識のうちに吸い寄せられてしまった…らしい。
ヤバイ…
昨日から、私は本当におかしくなってる。
早く離れないと、また同じ過ちを犯してしまう。
わかってはいるんだけど…
「キス、したい…」
昨日みたいに、触れて。
あの柔らかくて甘い感覚を味わいたい――
そんな欲求と必死で戦ったものの…
ダメだ。無理。限界っ。
昨日以上に無防備で“可愛い”玲央くんを前にして、私が我慢できるわけない。
「…ちょっとだけなら、いいかな?」
玲央くん寝てるし。
気づかれなければ迷惑はかけない…よね?
玲央くん、ごめん!
心の中で頭を下げて。
私はそのまま、ゆっくりと唇を落とした。