「……玲央くーん?入るよ?」


寝てる…のかな?

そっとドアを開けて、なるべく音を立てないように…私は部屋の中へ入った。


「玲央くん?」


ゆっくりとベットに歩み寄ってみれば、布団の隙間から少しだけ玲央くんの頭が見えて。そこから微かに寝息が聞こえた。

やっぱり、寝てる。

なんとなくほっとしつつ、静かに荷物を下ろして、私はそのままそこに座り込んだ。


当たり前だけど、昨日来たときと何の変化もない玲央くんの部屋。

机の上には、作りかけのシュシュが籠に入って置いてあった。

あれ…。今日、みんなに見せるって。玲央くん、張り切って作ってたのに…

私があんなことしなければ、昨日のうちに出来上がってて。今頃、みんなに披露してバザーの計画も進んでたはずだ。


「……っ」


今さらながら、無性に罪悪感がこみあげてきて胸がぎゅーってなって。私はもう1度、ベットのほうに向き直った。

そして、そっと布団をめくって、


「…ごめんね、玲央くん。」


寝ている玲央くんに謝った。