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「麻琴ちゃん!ちょうどいいところに来てくれたわっ。」


――放課後。

タイチくんから預かったノート類と、帰りがけにコンビニで買った玲央くんのご所望品を持って。

私は家には寄らずにまっすぐにお隣へと向かった。


そんな私を、玲央くんママはいつものように満面の笑みで迎え入れてくれたわけだけど…


「ちょうど今から夕飯の買い物に行こうと思ってたところなのよ。」


よく見れば、玲央くんママは外出用のダウンコートを着こんでいて。

手には車のキー(手作りのおっきなくまさんのぬいぐるみ付き)が握られていた。


「玲央のこと、見ててやってくれる?」


それは全然構わないけど…


「玲央くん、そんなにひどいの?」

「んー。朝に比べればだいぶよくなったみたいなんだけどね。まだ熱が下がりきらなくて…」


熱?それってやっぱり…


「昨日のせい…だよね。絶対。」


昨日、寒い中コートも着ないで外に出たから。つまりは私のせいなわけで…


「玲央くんは私が責任持って看病するから。玲央ママはゆっくり買い物してきて!」


覚悟を決めて。
私は玲央くんの部屋に向かった。