「ひどいよ。マコちゃん…。僕のこと、そういうふうに見てたんだ…?」
私の考えを読み取ったのか、涙目の玲央くん。
そうか。そのへんはやっぱりノーマルか。
やだなぁ。私ってば。
「ごめん。ごめん。」
真っ赤な顔でうるうるしている玲央くんのところに移動して、その瞳を覗きこんで謝った。
「じゃあさ、その“好きな女の子”にはあげないの?」
「えっ?」
「外国じゃ、男の子から女の子にプレゼントを渡して告白したりもするんでしょ?玲央くんもすればいいのに。」
せっかく、美味しいチョコが作れるんだから。
チャンスだと思うんだけどなぁ。
「そ…それは…」
ふいっと、私から視線を反らして。気まずそうに俯く玲央くん。
「…無理だから、しない。」
そして、ぼそっと呟いた。
「えー?なんで?もったいない。」
「そういうのは求めてないし…いいんだよ。僕は。」
「でもさ、好きなんでしょ?いつかは告白したりとか…」
だったら“バレンタイン”がいいと思うんだけどな。
「しないよ。たぶん、一生…告白なんてしないから!」