―――…
――――――……
「はぁ…。結局、ありきたりなハッピーエンドか。」
もうちょっと“ひねり”がほしかったなぁ…。期待していただけに残念。
ちょっとだけがっかりしつつ、私は読み終えたマンガをパタンと閉じた。
……どれくらい時間経ったんだろう?
マンガを読むのは早いほうだけど、最終巻まで一気読みしたからなぁ。
これはけっこう時間潰しになったはず。
玲央くんもそろそろ…
「玲央く…」
ひと段落つく頃に違いない。
そう信じて、玲央くんのほうを振り返った…のに、
「……。」
……まだやってた。
私がマンガを読み始めたときと何ら変わらぬ姿勢で。
まさに、脇目も振らず黙々と。
器用に編み針?を動かして、一定のスピードで毛糸が動いていく。
うーっ。ダメだ。
こうなったら、玲央くんは止められない。
今日はきっと、あのシュシュに1日を捧げるんだわ。
あーあ…。
ゲームはおあずけかぁ。
はぁ…っ。
がっくりと肩を落としながら、大きくため息をついた。
……しょうがない。
玲央くんの邪魔にならないようにおとなしくしてよう。