今思うと、なんとなく紅茶が好きではないと優奈のお母さんが気づいてくれて
あのローズティーには砂糖がたくさん入っていたから
すごく甘かったんだろうけど




その時の私はローズティーを飲んだことで一気に大人になった様な気がした。


「そ・れ・で」

優奈が身を乗り出して私をじーっと見つめる。

「菜摘は冬真のことが気になって仕方なかったり、ドキドキしたりするよね?」

私は素直にコクンと頷く。

「自分のパパママが大好きでも、ドキドキしたりはしないよね?冬真はどう?パパママを好きな気持ちとは違うでしょ?」


…言葉が出てこない。



「それが…




恋なんだよ。」


優奈が優しく微笑んだ。

と同時に私の顔はみるみる真っ赤に染まってゆく。

(私が…こっここ‥恋!!?)

優奈は20年たった今でも
この日のことを思い出しては
大爆笑する。

まさに目が点といった感じで
最高傑作な顔だったらしい。