「涼子ぉ、私、さっきから思ってたんだけどさぁ」

里乃が小声で話し掛ける。

「何?」

「あの黒服って、新谷さんちで見た写真に東郷と一緒に載ってた、暴力団関係の方々のファッションと丸っきり同じじゃない?」

…。

「誰よ、お葬式だって言ったの」

「あの時は、そう思っただもん」

「でも、ってことは、間違いなく、狙われてるってこと?私たち」

「かも」

冗談でしょ〜。
私たちは、井伊直弼に、安藤信正か。