そりゃまあ、そうかもしれないけどさぁ。

「もし、砕け散る前に、東郷に取られるようなことになったら、どうするつもりだったんですか?里乃ちゃんと涼子ちゃんに、もしものことがあったとしたらっ」

って、新谷さんが言いかけると、柳沢さんが、真顔で遮った。

「俺は、柳沢一族を信じている」

「…柳沢さん」

柳沢さんは、新谷さんに頷くと、私たちを見渡した。