けど、さすがに高木も速度が落ちてきた。

バタバタバタバタ…。

「待て〜っ!」

段々足音と声が近くなってくる。
もう、逃げ切れないかもっ。
ここが墓地の最後と思われる、大きなお墓がある所まで来たのに。

「あそこだっ!」

追いつかれたっ!

直線にして三十メートルの所に来てるっ。
もう、後は時間の問題っ。

「行ってっ!」

里乃が高木の背中から飛び降りたっ。