「高木くんっ、逃げてっ!」

里乃は、背中に乗るのを止めて、代わりに高木の肩をバシッと叩いた。

「ばかやろぅ、早く乗れっ!」

「だってぇ」

奴らはまだ五十メートルくらい下にいるけど、物凄い勢いで駆け上がって来てるっ。
ぱっと見、五、六人。

「里乃、行けるとこまで行こう」

「涼子ぉ」

「さぁ、早く」

「うん」

里乃は高木におぶわれて、とにかく上へ。