私たちはあの階段から山に挑んだ。
もう振り返らない。
振り返ったら、なんか、泣きそうなんだもん。
新谷さんも、藤堂さんも、後で絶対会おうね。
…高木、どうしたかな。

「里乃っ、これ、中岡慎太郎と坂本龍馬のお墓だぁ」

「あ、ホントだ。ちょっとだけ、拝んで行こうか」

「うん」

中岡さん、坂本さん、シリウスを守りきれるように、見守っていてください…。
それと、みんな無事でまた会えますように…。

「よし、行こう」

「よしっ」