「さぁ、早くっ!そこの階段からっ」

「はいっ!」

最後の力を振り絞らなきゃ。

「行こう、涼子」

「ん」

社務所を出ようとすると、

「二人ともっ」

と、新谷さんに呼ばれて振り返る。

「無理するなよ。出来る範囲で構わないから」

って、優しく微笑んでくれた。

「わかってます。新谷さんも、無事で」

「ああ」

…。

「行こう、里乃」

「ん」