「え?」

そんなぁ〜、心細過ぎるぅ。

「どうやって逃げたらいいんですか?」
って、情けなさそうな里乃の声。
そうよ、どこにどうやって逃げたらいいのよぉ。

「この山を越えるんだ」

「は?」

思わず、素っ頓狂な声が里乃と同時に出た。
この山って…。
このお墓がいっぱいあって、急な階段がいきなりそこに見えてるような、この山を越えるぅ〜?
馬鹿言っちゃあいけませんっ。
もうそんな体力、どこにも残ってなーいっ!