そして、隣の部屋の扉を龍翔を大きな音とともに蹴破った。
そこで、目についたものは……。
ベッドで男に押し倒されている莉々香ちゃんだった。
「り、莉々香ちゃんっ!!」
咄嗟に莉々香ちゃんに向かって叫ぶ。
でも、莉々香ちゃんは何も反応してくれない。
莉々香ちゃんの制服は、大きく肌蹴ていて…。
何をしているかなんて、嫌でも分かってしまった。
「……テメェ。莉々香に何してんだよ?」
龍翔の怒りの声も、ぼんやりとしか聞こえない。
そんな莉々香ちゃんの姿を唖然としてみていると……。
莉々香ちゃんは自らの手で男の服を引っ張り……自分の唇を、男のそれに深く押し付けてた。
莉々香ちゃん……?
僕は、ただその光景を見ているだけだった。
見てるだけしか出来なかった。
この時、自分が無力だと……改めて感じた。