「お前、誰だよ。」
龍翔は冷静に男に声をかけた。
「俺は……或斗の兄だ…。美奈の妹の美姫は……自殺なんて、してないんだよ……。ただ、病気で……死んだんだ…。症状も病気が見つかった時には…末期で、直ぐに……。美姫は、或斗を…裏切って、お前の所に行ったから……会わせる顔がないって…、病気の事は、秘密にしててって……。或斗の兄である俺に、或斗と美奈を、頼むって……。だから……俺は、美姫は自殺したと言ったんだ……。でも、間違った判断だった…。」
男のこの言葉に、女はただ涙を流すだけだった…。
「それから…、或斗は、隣の部屋に…。早く行かないと……。あの子は……。美奈は、俺に任せて……。早く……。」
そして男はふらふらと女の所へ行き、僕たちに声をかけた。
その言葉で龍翔は走り出す。
僕は不安な気持ちを残しながらも…この部屋を去った。