女はソファーから立ち上がり、一歩下がったところで叫んだ。






「全部…全部、あなたたちが悪いのに!あなたたち……聖龍のせいで妹は死んだのに!!!!」





その言葉を聞いて、龍翔はつかんでいた男の襟を離し、女に近寄る。






「おい、誰に向かって口をきいている…。」






「ふざけないでよ!!なら、私の妹を返してよ!?あなたでしょ!?総長は!!あなたが私の妹を無理矢理女にさせて、直ぐに捨てて…。そのせいで、そのせいで……あの子は…………死んでしまったの!!!」






龍翔が女の目の前に立った時……女は龍翔を睨みながら叫びだした。






その視線は、憎しみに満ちていた。





そして、泣いて嗚咽を漏らしながらも龍翔に向かって叫ぶ。





何かを訴えようとしている…。





でもその手には______鋭く光るものが握られていた。






「あなただけ生きているなんて……ッ!!私は許さない!あなたのせいで、或斗も…おかしくなったの!!!あなたの死で……償ってよ……!!!」







「りゅ、龍翔!!」






危ない……!!






そして女はそのまま……ナイフを刺そうとしたけれど…。






「……けんな。ふざけんなよ?」







龍翔はそのナイフを冷静に弾き飛ばした。






「キャーーーーッ!」






女は甲高い声をあげる。





龍翔はそのまま女のこめかみを押さえつけた。





「龍翔!乱暴はよせ!!」






咄嗟に咲哉さんが声を出すが、龍翔はそのままギリギリと手に力を入れているようで。





「お前……何をふざけたこと言ってんだよ?」