思うように身動きが取れなくてイライラする。
莉々香ちゃんは……どこに行ったんだよ!?
すると……、
「瑞希!!莉々香は見つかったか!?」
咲哉さんが僕の近くに敵を投げ倒しながらやって来た。
「まだどこにも見当たらないんですよ!!」
咲哉さんは顔をゆがめながらもあたりを眺める。
この倉庫には二階はなく、このフロアのどこかにいるはずなのに。
でも、莉々香ちゃんはいない。
そして……毒牙の総長も。
「クソッ!俺は…莉々香を傷つけたんだ。だから何としてでも死なせはしない。俺が謝るまで…莉々香を傷つけるなんてさせない!!」
咲哉さんは悲痛な叫びをあげながらも敵を殴る。
その殴られたやつはぶっ飛び、壁にバンッ!と叩き付けられた。
…………え?
そいつが叩き付けられた壁は………壁ではなく、よく見ないと分からない扉だった。
咲哉さんもこの事に気づいたようで。
……僕らに、光が見えた。
莉々香ちゃんを……これで救ってあげることが出来る。
「……隠されていた部屋があったのか…。お前ら、何とかして龍翔を呼んで来い!!莉々香はここにいるはずだ!」
咲哉さんの指示を聞くと同時に、聖龍の奴らが僕に少しだけ道を作ってくれる。
そこから大声で龍翔を呼び、龍翔は直ぐにここへ駆けつけた。
龍翔は扉の存在を知ると、ニヤリと笑って。
扉を足で蹴破り、進んで行った。
そのあとに僕と咲哉さんも続く。