「たこさん公園の桜が今年は早咲きでもう結構咲いてるらしいんだよ。」



手帳をもとに戻して、


机の上の作りかけのインスタントコーヒーにケトルのお湯を注ぐ。


たこさん公園というのは、わたしたちが勝手に呼んでる呼び名で


ほんとうは


柏木町公園だか、柏原市民公園だか


もっと公園らしい公園の名前がついているのだ。



遊具の1つで、赤い丸いフォルムで


何本も滑るところがタコのあしのようについている大きな滑り台があって


それにちなんでわたしたちは勝手にたこさん公園と呼ばせてもらっている。

小さなテニスコートもあるし、芝生もあってピクニックする親子連れも多い


大きめの公園だ。



そこの公園には桜並木があって


春になると花見客で賑わう。

「じゃあ大学で譲と相談してみる。」



「来いよ。俺が車でお前らの学校まで迎えにいってやるから。」



要は、彼がとったばかりの車の免許が嬉しくてしかたなくて


車を乗り回したいと言うことだ。